競艇のアウト屋とは?アウト屋のメリットや代表選手まで徹底解説!
競艇において、インコースが有利とされているのは基本中の基本です。
しかし、競艇選手の中には自ら進んでアウトコースを選ぶ選手も存在します。
そのような選手を競艇の世界では、『アウト屋』と呼ばれており、競艇界の中でもアウト屋の選手は少数派です。
今回当記事では、競艇のアウト屋について詳しく紹介していきます。
アウト屋のレースはダイナミックになることが多く、熱狂的なファンは少なくありません。
アウト屋のレースを予想する際のポイントなども見ていくのでぜひ、参考にしてみてくださいね。
それでは、順を追って見ていきましょう。
アウト屋とは?
冒頭でも少し紹介しましたが、アウト屋とは自ら進んでアウトコースからの勝負を選ぶ競艇選手のことを指します。
競艇では、インコースの方がゴールまでの距離が近くなるため、インコースの方が圧倒的に有利とされていて、周知の事実です。
そのため、選手はレースの際に出来るだけ内側を走ることが基本になるのですが、前記した通りアウト屋の選手はあえて外側のコースからのスタートを狙います。
当記事が調べた、2020年3月1日 ~ 2021年2月28日の間での全国平均1着率では、1コースが約55.8%に対し、6コースは約1.7%と、大きな差があることがわかります。
このように、基本的には不利なことが多いのですが、ダイナミックなレースが見られることや、まくりが決まって勝利したときには配当金も高額になることもあり、熱狂的なファンは数多く存在します。
アウト屋へのきっかけとアウト屋のメリット
続いて、競艇選手がアウト屋になるきっかけや、アウト屋のメリットを見ていきましょう。
大前提では不利なことが多いとされていますが、アウト屋の選手が存在する以上、きっかけやメリットが存在します。
順に見ていきましょう。
アウト屋になるきっかけ
アウト屋になるきっかけでよく挙げられているのが、新人時代の経験です。
一流の競艇選手といえど、新人時代には展開を見る力も、ターンの技術も低いため、安全面を考慮する意味でもアウトコースからの練習が基本となります。
大半の選手は、その後にインコースの練習へと進むのですが、中にはその頃の経験がきっかけとなり、そのままアウト屋の選手としての道を進むことになるそうです。
もちろん、個人によって理由はありますが、中でも新人時代の経験は大きな理由と言えるでしょう。
アウト屋のメリット
次に、アウト屋のメリットを見ていきましょう。
まず、アウトコースのメリットとしてスタートがしやすい点が挙げられます。
5コース、6コースに限定することで、インコース取りの争いに参加しなくても良くなり、スタートのタイミングだけに全神経を集中することができるそうです。
また、アウトコースは必然的に助走距離が長くなるので、スタートのタイミングが取りやすくなります。
競艇では、スタートのタイミングは重要な要素となるため、こちらもアウトコースのメリットと言えるでしょう。
その他にも、コース取りの際に発生する人間関係の駆け引きも、アウト屋の選手にはあまり関係ないとされていて、先輩後輩などの人間関係がうまくいきやすかったり、そもそも人間関係での駆け引きが圧倒的に少なくなるため、精神的な負担が楽になるという側面もあると言われています。
現在の代表的なアウト屋の選手
続いて、現在の競艇界における代表的なアウト屋の選手を紹介していきます。
アウト屋の選手は競艇界でも稀な存在のため、あまり多くの数の選手は存在しません。
しかし、アウト屋にはアウト屋にしかない魅力があり、中には『引退するまで生涯アウト屋』と宣言している選手もいるほどです。
順を追って見ていきましょう。
小川晃司選手
画像元:ボートレース公式サイト
小川選手は、1988年にデビューした福岡支部の選手です。
現在の競艇界ではアウト屋の先駆けとなる存在で、『引退するまで6コースを選び続ける』と宣言している選手でもあります。
デビュー当初は、インコースに入る勉強もしていたそうですが、失敗して先輩に怒られたことが納得できなかったことや、コース取りでの人間関係に必要以上に気をつかってしまったこともあり、アウト屋に転向したそうです。
通常アウト屋は、大外からまくる展開が多く見受けられます。
しかし小川選手は、アウト屋としてのレーススタイルの中でも特徴があり、6コースから入ることで先行する艇のスキをつく、差しの展開も得意としています。
また、大半のアウト屋の選手はチルトの角度を限界まで上げることが多いとされていますが、小川選手がチルトの角度を上げることはあまりありません。
阿波勝哉選手
画像元:ボートレース公式サイト
阿波選手は、1996年にデビューした東京支部の選手です。
チルトの角度を限界まで上げ、6コースからのまくりで勝負するのが特徴のアウト屋で、『ミスターチルト3度』というニックネームが付くほどの生粋のアウト屋とされています。
アウト屋になったきっかけは、先輩アウト屋の小川晃司選手の活躍に影響を受けたことと、前記したように、コース争いが煩わしいからだそうです。
ちなみに平和島競艇場では、阿波選手のニックネームである『アワカツ』と『チルト3度』にちなんで『チルトサンド』という名称のカツサンドが販売されていて、競艇ファンの間で人気のメニューになっています。
澤大介選手
画像元:ボートレース公式サイト
澤選手は、1996年にデビューした三重支部の選手です。
元々は、カドからのまくり差しなどが得意な選手でしたが、2003年頃からアウト屋に転向し、アウト屋としての存在が定着した選手と言えるでしょう。
澤選手がアウト屋に転向したきっかけに、同期のアウト屋である阿波選手に伸び型のペラを教えてもらったことも影響しているそうです。
澤選手は、アウト屋に転向してからは99%の確率で6コースから勝負を仕掛けることがレースの特徴で、常にファンを魅了する存在でした。
しかし澤選手は、2021年に入り突然アウト屋引退発言もされていて、ファンの間でも今後のレーススタイルが楽しみとされている選手の1人です。
若松競艇場での直接対決
引用元:ボートレース若松公式チャンネル
2019年の2月27日に若松競艇場で開催された一般戦、『若松夜王S第5戦BOATBoyカップ個性派王決定戦』3日目の最終12レースで、アウト屋の3人が一堂に会することとなりました。
このレースは現在の競艇史に残る個性派の戦いとされています。
スタートのポジション争いでは、1枠~3枠の選手が大外で争う競艇史でも珍しい戦いが繰り広げられました。
このレースでのアウトコースのスタートポジションは以下の通りです。
・6コース 1枠 小川選手
・5コース 3枠 阿波選手
・4コース 2枠 澤選手
また、4枠~6枠の選手は、難なくインコースを獲得し、レースがスタートしました。
レースでは、大外6コースからのスタートを成功させた小川選手は第1ターンマークを回る際に大きく失速、5コースからのスタートを成功させた阿波選手も上手くまくりが決められず、2人は後方に沈んでしまうことに。
一方、4コースからのスタートを成功させた澤選手は、まくりから差しに戦略を変更したことが功を奏し、見事に2着でゴールしました。
そして、アウト屋3人の直接対決は澤選手の1人勝ちという結果になったのです。
まとめ
今回当記事では、競艇のアウト屋について詳しく紹介してきました。
アウト屋には、アウト屋にしかない魅力もありますし、アウトコースから勝利を収めた場合は、配当金も高額になることからも今後も熱狂的なファンが多く見受けられることでしょう。
アウト屋のメリットなど、今後アウト屋の選手が出場するレースを予想する際にはぜひ、参考にしてみてくださいね。
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